事業モデル
つなぐマップは、
市民で育てるシステム
を目指しています。
自分たちに必要なシステムを
自分たちの手で育てる
身近なシステム
身近じゃないシステム開発
「システムって、どうやって作るの?」
「世の中には、こんなにアプリが溢れているんだから、きっと、ちゃちゃっと作れるんでしょう?」
「ユーザが増えれば広告収入でパーッと儲けられるんでしょ?」
システム開発に関わったことのない人の多くは、こんな風に思っているのではないでしょうか? アプリストアに無料~数百円のアプリが山ほど並んでいるのを見れば、そう思いますよね。
けれど、実際に自分の欲しいシステムやアプリを開発したいと思って開発依頼したら、法外な価格を提示されてびっくり仰天。
それでも何とか開発費用を工面して開発してもらったのに、今度は、その後のメンテナンス費用などがかかることがわかって支払い続けられず、結局そのまま頓挫。
そんな経験のある方もいるのではないでしょうか?

システム開発費用が高額なワケ
システムを開発して運用していくために必要な費用は、ざっくり以下です。
- システム開発費(主に、開発者の人件費)
- 運用費(サーバー代など)
最近はサーバー代は、だいぶ安価に抑えられるようになりましたが、
システム開発には膨大な時間がかかるため、システム開発費は高額です。
たとえば、つなぐマップの場合は
一番最初に簡単に動くものが出来上がるまでに160時間かかりました。
1人月=100万円で換算すると約90万円ですね。
さらに、ほとんどのシステムは、作って終わり、ということはなく、
実際に使いながらブラッシュアップしたり、ユーザが増えればそれに合わせた性能改善などを行う必要があります。
つなぐマップの場合は、2024年10月時点の開発時間総計が3000時間超なので、換算すると約1700万円ですね。
システム開発現場で用いる技術の発展により、それほどのスキルや時間がなくても、ぱっと動くものを作るところまでであれば、比較的簡単にできるようになりましたが、 継続開発をしていくには、やはりそれなりのスキルと時間が必要になります。

身近なのに身近じゃないシステム
このように、システム開発にかかる費用が高額なため、
「1円の価値が小さい相手(財布の大きい企業や組織)」から開発費用を得るビジネスモデルが主流となっています。
(アプリストアに並んでいるアプリのほとんどは、アプリ単体では採算は取れていません)
誰かの役に立つ可能性のあるシステムでも、 財布の大きい誰かに承認してもらえなければ、作るのは難しい。 それでも、もしも作りたかったら、ボランティアや趣味として作るしかなく、それでは限界があります。
つまり、PCやスマホを誰もが当たり前に持ち、アプリやシステムがとても身近な存在になっているにも関わらず、 それらは、どこか遠い顔の見えない存在に提供してもらうしかない現状なのです。
「こういうことができるといいのに…」
そう思うことがあっても、どこかの誰かがそれを叶えてくれるのを待つしかない。

共有して育てる、という解
どうすれば、価値を提供する相手から直接開発に必要なものを提供してもらう形でシステムを開発できるだろう?
考え続けた結果、
「共有して育てる」という解に辿り着きました。

出来上がっているシステムは、誰でも自由に使える
まず、出来上がっているシステムは、誰でも自由に使えます。
成果物のソースコードは、「複製・再頒布・改変・商用利用可能。ただし、改変部分のソース公開は必要」という形態のライセンスでOSS公開しています。
→ ソースコード公開先
システムにちょっと詳しい人と運用するサーバがあれば、誰でもすぐに使えます。
(WordPressみたいな感じだと思ってもらえればいいです)
システムは開発に時間(≒お金)がかかるのであって、動かすにあたっては、それほど労力を要しません。
だから、動かすために必要なもの※だけ提供してもらって、既に出来上がっているものを作るために掛かった費用はそこに含めません。
※つなぐマップサーバーを利用する場合に、サーバー運用費のワリカンをお願いしています。

欲しい機能を発注してもらう
「こんな使い方をしたいから、こういう機能があるといいんだけどな」
つなぐマップを使っていくうちに、そんなことを思っら追加開発を発注してもらいます。
追加機能の開発ならば、ゼロからのシステム開発よりも遥かに安く抑えられます。
発注費用を1ユーザで負担するのが難しいなら、同様のニーズを抱えているユーザと組んで発注したり、 あるいは、費用をそれほどかけずに開発できる機能に留めて運用で補ったり…、という選択肢もあります。
Aさんのニーズに応える形でバージョンが1つ上がり、
Bさんのニーズに応える形で、またバージョンが1つ上がり。
そんな風にして、つなぐマップを進化させていきます。
そして、Aさんと一緒に作り上げた機能はBさんやCさんも使えるし、
Bさんと一緒に作り上げた機能はAさんやCさんも使えます。

開発の軌跡を地図で見える化
つなぐマップの進化の過程は、「開発の軌跡マップ(作成中)」で見える化しています。
「いつ誰と組んで、こういう機能開発がされた」ということも、この地図の上で見ることができます。
つまり、つなぐマップが、どのような人たちのどのような貢献によって進化してきたのかが可視化され、
その進化の道のりの中にあなたも登場するかもしれません。

見えづらい作業は開発応援隊が応援
開発マップを見てもらえるとわかりますが、 開発作業の内訳には、機能開発だけではなく、不具合修正や性能改善、リファクタリング※などの作業も多く含まれています。 これらはシステム開発を知らない人たちには認知されづらい作業ですが、 継続的にシステム開発を行うにあたって、とても重要なものです。
これらの作業費用は追加機能開発の依頼の中には含めづらいので、年に一度、開発を応援してくれる人たち(開発応援隊)を募って、その人たちからの協賛金によって賄います。 もちろん、開発応援隊になってくれた人たちの名前も、開発マップの上に載ります。 (町のお祭りで、協賛者の札がかかるのと同じようなイメージです)
※リファクタリング:=改修を重ねることで汚くなったシステムのソースコードを綺麗に整える作業。これを行わないと、後々の改修が困難になる。

お金に限定せず
提供しやすいものを提供してもらう
このようにして、つなぐマップに魅力を感じた人たちと共に進化させていく方式ですが、 提供してもらうものは、お金に限定しません。
私たちはお金そのものが必要なのではない
お金は、とても便利なものですが、
「お財布の大きさによって、1円の価値が異なる」
のが問題点です。
だから、現状のシステム開発のほとんどが、お財布の大きな相手に開発費用を提供してもらうビジネスモデルになってしまう。
けれど、開発に必要なものを因数分解してみると、
衣食住、余暇、開発者に対する敬意…。
必要なものは、こういったものたちで、お金そのものではありません。
現在の社会では、お金があるとこれらを手に入れやすい、というだけのこと。

それぞれが出来る、それぞれの社会への投資
つなぐマップは、3000時間を自分で持ち出して開発してきました。
開発費用として換算するなら、約2000万円です。
開発にかけた時間を考えると、「元を取りたい」という気持ちが全くない、と言ったらウソになります。 けれど、
- ビジネス=社会を豊かにするための価値を提供すること
- ビジネスモデル=持続的に価値を提供する仕組み
人は影も形もないシステムの価値など想像できない。 だから、人が実際に触って、価値や可能性を実感できる状態にするところまでは 自分の持ち出しで作ろう。
私が、社会の何かのために2000万円の投資をすることは、一生かかっても出来ません。
けれど、2000万円に相当するシステムを作って提供することならばできる。
エンジニアの自分だからこそできる、社会への投資だと考えました。

出せるものを出し合って、みんなで育てていく
つなぐマップは、まだまだ改善したいところは山ほどありますが、それなりに動いて、魅力を感じてもらえる人には魅力を感じてもらえる状態になりました。
ここから先は、つなぐマップに魅力を感じてくれた人たちに協力してもらいながら、一緒に育てていこうと思います。
開発に必要なのは、開発者の衣食住や余暇を賄うためのものです。
それらを、お金という形にこだわらずに、無理なく出せる形で出しあって、
一緒に育てていく。
それが、つなぐマップです。

このようにして、
市民たちが自分たちに必要なシステムを自分たちの手で共に作り上げていくシステムです。
